『対話型アート鑑賞』あまり聞きなれない言葉だと思いますが、もともとニューヨーク現代美術館『MOMA』が開発したプログラムです。絵画作品を鑑賞しながら対話をすることで、参加者の本来持つ感性を刺激し「観察力」「創造力」「コミュニケーション力」「言語化力」「自己肯定感」「美意識」といった、人間にとって大切な基礎能力を高めることができます。
今回アトリエでは各クラス2枚の絵画の鑑賞をしました。(A2サイズ程度に印刷したものを鑑賞しました)対話の中で子供達からは多くの発言があり大変充実した時間となりました。対話の後には鑑賞カードの作成もしました。
『対話型アート鑑賞』では作品が描かれた背景や作者について話をすることはありません。この絵を見て発見したこと、感じたことを自由に発言してもらいます。例えば、以下の作品対話では対話を重ねる中で次のような言葉がでてきました。
「動物がなんか変」「ふだん目にする動物と違う」「動物は実験で作られた合成獣なのではないか」
「ここは死後の世界。動物は死んでいて天使がむかえに来たのではないか」
「人間だったら食べられてしまうけど、動物と仲良くしているから、この人?たちは神の使いとか妖精とか、特別な存在なんじゃないか」
「奥の方に川が流れている。これは現実の世界と死後の世界を結ぶ三途の川かもしれない」
「奥にある木々がオレンジや黄色なので季節は秋なのではないか」
印象に残った子供達の言葉のごくごく一部をご紹介しましたが、人それぞれ絵を見て感じることや発見することが異なります。対話を通して、いろんな見方や考え方があるんだな、違っていいんだな、おもしろいな、といったことを子供達は感じてくれていたようです。
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